emma.をOPENした理由

 

「なんでお店を開いたんですか?」
お店に来てくれるお客さまから、幾度となく聞かれたこの質問。

お客さまが聞きたいのはたぶん、「どんな心境で始めようと思ったのか」とか、「なぜこういう業態のお店だったのか」とか、具体的なことなのだろうと思うのですが、もしそうじゃなかったら無駄話を聞かせることになって申し訳ないなと思って、いつも簡潔に「やりたかったからです。」と答えてしまっていました。

突っ込んで聞いてくれるお客さまには、時間の許す限りゆっくりじっくり話をすることもありますが、普段はなかなか話す機会もないので、ここでは、わたしがemma.をOPENしようと思った理由をたっぷりお伝えしたいなと思います。

 

独立を夢見た日

emma.が誕生したのは、2016年9月1日。
わたしが独立を夢見たのは、実はそこからさかのぼること約12年も前のことでした。

当時大学3年生だったわたしは就職活動が始まろうとしていた時期。今はどうかわからないけど、当時は適正診断をして自分の希望と適正を照らし合わせて進路を考える、というのが主流だったように思います。例外なく、わたしが通っていた大学でも適正診断をしました。

栄養学を学ぶ大学に通っていたので、同じ学部の学生のほとんどが病院や施設、学校や企業などに管理栄養士として勤めるのが大多数という環境にいましたが、わたしはその道に興味を持てずにいました。特定の誰かや限られた条件のもとで知識やスキルを活かすことに、全く関心がなかったからです。

でも、その割になぜか適正診断ではそういう道が向いているという結果も出たりで、「全然信用できない!」と思ったわたしは、その診断結果を完全に無視しました。もっと自由に、やりたいようにやりたいという気持ちがとても強かったので、自分の感覚を信じて「やりたいこと」「叶えたい状態」をもっと具体的に考え直しました。

フリーのフードコーディネーターになるとか、商品開発を請け負うとか、色んな職業を考えました。栄養学の知識が活かせて、食の業界で、クライアント=条件を指定する人がいない仕事…。
その結果、わたしが導き出した進路は「自分のお店を持つ」というものでした。「自分のお店」というスタイルこそが最も自由で、やりたいことができる環境だと思ったからです。

その時から、「お店を開くためにはどうしたらいいか」を考え、開業に必要な知識とスキルを全て身につけられるところで働こうと思い、自社で店舗開発からメニュー開発、教育まで一貫して行なっている飲食業界に勤めることに決めました。

 

現実を知る

独立を夢見て入社した会社は、カフェ業態もバー業態も取り扱う会社で、新店舗立ち上げにもたくさん関わらせていただいたので、とても多くのことを身につけられました。あの頃の経験があるから今に活きていることもたくさんあります。その一方で、飲食店をやることの難しさや大変さを目の当たりにし、24歳になる直前、わたしは早くも夢を諦めかけました。「甘えてる」としか言えないかもしれませんが、あまりに精一杯だったわたしは会社を辞めて、自分の夢にふたをしてしまったのです。

その後、自分の進路を見失ったわたしはその時々で思いつくままに転職を繰り返します。

あんなに嫌だと思っていた、施設で管理栄養士として働くことも経験したし、管理栄養士の資格を活かして民間の通信教育の先生をやってみたり、食品の通販の会社で新規サービスの企画をしてみたり。会社に内緒で、ダーツバーでアルバイトしたりもしてました。

とにかくフラフラしていました。
あんなに熱く夢を語っていた頃の自分がまるで嘘みたいに、本当にフラフラしていたと思います。その時々でやりたいと思ったことをやっていたのに、いつもどこか虚しさもあったりして。
「現実は厳しい」、言ってしまえばそれまでですが、当時のわたしには夢を実現させる力がなかったんだと痛感した時代です。

 

再び夢見た日

そんなわたしに、2014年のある日転機が訪れます。
お店を開く前に働いていた会社で、ミーティングの時に社長から言われた一言に心を強く揺さぶられました。

「できるかできないかじゃなくて、やるかやらないか。」

これは、仕事に行き詰まっていたわたしを鼓舞するために社長が放った一言だったのですが、その言葉で仕事を進めて無事にやり遂げた後、ふと、これまでの自分に言い聞かせている自分がいました。

ー 今まで、現実は厳しいと思ってお店をやる夢を諦めようとしてたけど、わたしはどこかでずっと「やりたい」と思い続けていた。その気持ちにふたをしていたけど、夢見たあの日からずっと諦めることはできなかった。できないって決めつけていたけど、「やるかやらないか」だったら、「やりたい」。じゃあ、やろう!

 

だから、やる。

「できるかできないかじゃなくて、やるかやらないか」、シンプルなその一言は、その日からわたしの中のおまじないみたいになっていました。今まではできないと思っていたことも、「どうやったらやれるか」を考えるとなぜか答えが見つかるという、最高のループにはまりました。「やるか、やらないか。」で考えて、やりたいからやる。やるからには、自分がやりたいことをやる。そう決めたら、なんだか全てのことが順調に進んでいきました。

お店は、カウンターのみ。接客も調理も経営も全部自分でやりたいから、ひとりでやろうと決めました。
ひとりでやるとなると、対応できる客数は限られるし、労働時間にも限界がある。経営するからには利益を出さなきゃならない。そしたらカフェより夜の営業がいい。
食品の通販の会社に勤めていた当時、わたし自身が「こんなお店があったらいいな」と思っていた、体に優しいごはんが食べられるお店。できるだけ手作りのもので、旬のものが食べられたらなお嬉しい。遅い時間、仕事終わりに行って一杯飲んでちょっとつまめる、女性ひとりでも入りやすいお店。おしゃれな内装と、素敵な食器と、居心地のよさを感じられるお店。
ターゲットは当時のわたしのような、バリバリ働いて自由になるお金と時間がある30〜40代女性だ!

そんな風に考えて、自分がやりたいこと・好きなことを全部詰め込みました。

お店の名前は何にしようってぐるぐる迷ったけど、やっぱり自分の好きなものを表現するなら、自分の名前しかないと思いました。英語は全然話せないけど、2020年を見据えてアルファベット表記の「emma.」に決定。最後にドットがつくのは、画数診断をした結果6画がいい運気だったのでプラスして。
自分の叶えたいことを祈祷したお守りを作ってくれるところで、オリジナルお守りを作ってもらい。
新しいことを始めるなら、新月の日がいいとされている(満ちていく)から、OPEN日は2016年9月1日に決定。

こうして、夢見て破れかけた自分の亡霊を背負いながら、今の(当時)自分が発揮できる全ての力と、あやかれる全てのことを盛り込んでemma.は誕生しました。

 

emma.をOPENした理由

ひとことで言えば、「やりたかったから。」
その言葉の裏には、こうした想いの数々が込められています。

emma.を始めてみたら、実際はやりたいことだけをやるのはやっぱり経営上無理な部分もあったし、続けていくことの難しさを痛感したり、大変なことも多々あります。それでも、やりたいことだからやって後悔はしてないし、やってよかったと感じています。

決断するまでが大変だけど、決断したら進むのは早いです。
「やりたい」と思っていることがあるなら、ぜひ、「やるか、やらないか」、そう呟いてみてください。

 

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和食バル emma.


− 居酒屋以上、割烹未満 −


【 営業日時 】

水〜金  18:00〜24:00

 土   17:00〜24:00

※L.O. 23:00/最終入店は22:30までです。



【 電話番号 】

050-5308-2155